中小企業の人手不足を、採用にかぎらず9つの打ち手から考える ─らいぱち合同会社

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採用が決まった後のことを、採用前に考えていたか。

2026/7/7 03:59

更新

【この記事の結論】採用の成功と定着は、別の話です。すぐ辞める原因は、入社後ではなく採用前にあります。依頼する業務を言葉にする。必要なスキルをはっきりさせる。社内の誰と組むかまで決める。そこまで済ませてから採用に動く。採用後に起きることを、採用前に考える。順番を入れ替えるだけです。

「入社、承諾もらえました」——内定を出した人から返事が来た瞬間、肩の力が抜ける。長かった採用活動が、やっと終わった。そう感じたことはありませんか。私はあります。そして、その「終わった」が落とし穴でした。


「採れた」で安心して、その後が抜ける

採用の成功と定着は、別の話です。

求人を出す。応募を待つ。面接する。採用活動をしている間、関心も労力も「決まるまで」に集中します。決まった途端、糸が切れる。

入社日までに何を準備するか。最初の1ヶ月、誰が横につくか。何をどこまで任せるか。ここが空白のまま、入社日だけがやってきます。


すぐ辞める原因は、入社後ではなく採用前にある

私自身の会社の話です。人が足りない。まず採用しよう。依頼する業務は難しくないから、誰でもいい。そう考えて、早めに内定を出した人を、そのまま採用しました。

1ヶ月後の面談で、本人から言われました。「スキル的に追いつかない」と。

仕事は事務系です。ウェブサイトを見ながら入力する。電話が鳴れば取る。切ったら入力に戻る。二つ、三つを同時に回す仕事でした。手順そのものは、覚えれば難しくない。ただ、「同時に回す」ことは、誰にでもできるわけではなかった。

「誰でもできる」と思っていたのは、仕事の中身を言葉にしていなかった私のほうでした。

もう一人、社内と性格が合わずに辞めた人もいます。どちらも、辞めたのは入社後です。でも、原因が生まれたのは採用前でした。


「来てくれたら何とかなる」が一番危ない

「来てくれたら何とかなる」は、本人に丸投げしているのと同じです。

入社した本人は、初日から手探りです。誰に聞けばいいのか。どこまでできれば独り立ちなのか。迎える側が決めていないことを、本人が現場で一つずつ探ることになります。

採用を決めた後にすぐ辞められると、本人側に原因を探したくなります。でも私の場合、先にあったのは迎える側の空白でした。


定着は、採用前に半分決まっている

同じ会社で、逆のこともやりました。依頼する業務を先に言葉にする。必要なスキルをはっきりさせる。社内の誰と組むか、人柄が合いそうなポイントまで決める。そこまで済ませてから、採用に動く。

このやり方に変えてから、定着は上がりました。

特別なことは何もしていません。採用後に起きることを、採用前に考えた。順番を入れ替えただけです。採用後に定着しない原因は、入社後の努力不足より先に、採用前の空白を疑ったほうがいい。自分の失敗から、そう考えるようになりました。


採用のゴールを、どこに置いていますか。

「採れた日」でしょうか。それとも、「3年後もその人が働いている日」でしょうか。

ゴールの置き場所が変わると、採用前にやることが変わります。求人を出す前に、入社した後の景色を一度描いてみてください。誰が迎えるのか。最初の3ヶ月で何を任せるのか。それは、言葉になっているか。

あなたの会社の採用のゴールは、どこに置いてありますか。


著者:原田 卓次(らいぱち合同会社 代表)
HR・採用支援25年。人手不足に打てる手は9つあり、採用はそのうちの1つという前提で、採用の前の整理から実務まで引き受けています。

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