中小企業の人手不足を、採用にかぎらず9つの打ち手から考える ─らいぱち合同会社
B
l
o
g
更新
【この記事の結論】「人が足りない」という感覚は本物です。ただ、足りないのが本当に「人」なのかは別の話です。整理されていない仕事が、個人の負荷として積み上がっているだけの場合もあります。人を増やしても、整理されていない仕事は整理されないまま残ります。今、誰が何の仕事をやっているか。言葉にできるところから始めてください。
「人が足りない」という感覚は、本物だと思います。
仕事が回らない。自分が入らないと止まる。このままではまずい。その感覚は正しい。
ただ、「足りない」のが本当に「人」なのかどうかは、別の話です。
「人が足りない」と感じているとき、実際には「整理されていない仕事が、個人の負荷として積み上がっている」だけの場合もあります。
業務が属人的な会社があります。誰が何をやっているか、それぞれがブラックボックスになっている状態です。Aさんはこの仕事、Bさんはあの仕事。長年そうやってきたから、それぞれが自分なりのやり方で動いている。
この状態だと、状況が表に出にくいです。外から見るとうまく仕事が回っているように見えても、実は個人の頑張りや工夫で何とか回していて、その人がいなくなったとき、または業務量が増えたときに初めて「これは無理だ」となる。
少し前に聞いた話です。応募がなかなか集まらず、採用できない状況が長く続いた会社がありました。意図的な判断というよりも諦めの気持ちが強く、一度採用を止めました。
採用活動をしている時も、採用活動を止めた時も、大変だけど仕事は回っている。
対応策を考えるためにちょっと立ち止まり、みんなでそれぞれの状況を共有して話をしてみたら、今の人員でも問題なく対応できそうなことが分かった——結果論ですが、この会社にとっては「採用できなくて良かった」になりました。
整理されていない仕事の中に放り込まれた人は、何をどこから手をつければいいかわからない。聞きたくても周りも忙しいから聞けない。そのまま早期離職になる。
人を先に採用して、うまくいかなかったケースもよく見てきました。忙しいから採用する。新しい人が入る。でも、忙しすぎて面倒を見る余裕がない。フォローも研修もしっかりした仕組みがないまま、とりあえず現場に入れてみる。
また採用する。同じことが繰り返される。
これは採用の失敗だけで語る話ではなく、迎え入れる側の準備ができていなかった話でもあります。人が増えても、整理されていない仕事は整理されないまま残ります。むしろ、より効率が落ちることもあります。
似たような話ですが、もう一つ。現場から「人が必要」という声が上がったので、とりあえず採用活動を始める。ところが、採用したのはいいが、採用した人に何をやらせるかが、入社後に初めて問題になる——という流れです。
「とりあえず採用しておく」が通じた時代はありましたが、今は採用した人への説明責任も問われます。「あなたに何を期待しているか」を言葉にできないまま迎えた人は、入社後に迷います。
人を増やす前に、一瞬でいいので立ち止まってほしいことがあります。
今、誰が何の仕事をやっているか、言葉にできるか?
その仕事の中に、やめられるもの・まとめられるもの・別の方法でできるものはないか?
新しく入る人に、最初の3ヶ月で何をやってもらうか、具体的に言葉にできるか?
これらが整理できていると、採用の準備が整います。整理できていないまま人を増やしても、混乱が増えるだけになることがあります。
採用より先に、やることがある、というのはそういうことです。
著者:原田 卓次(らいぱち合同会社 代表)
HR・採用支援25年。人手不足に打てる手は9つあり、採用はそのうちの1つという前提で、採用の前の整理から実務まで引き受けています。
もう少し考えてみたい方は、公式LINEはいかがでしょうか。
登録後は、AIスタッフの「はらだAI」がお迎えします。
採用を前に立ち止まって整理するためのヒントを、10回に分けてお送りしています。
気が向いたときに登録してください。